赤猫 cast


CAST

森田亜紀(もりた・あき)

1974年生まれ。劇団STRAYDOG所属。舞台を中心に活躍。近作は『母の桜が散った夜』(04)、『心は孤独なアトム』(05)など(作・演出:森岡利行)。映画・TVの出演作に『問題のない私たち』(04)、『THE MOVIE「超」怖い話EPISODE#4「深夜ノ墜落」』(05)、『繋がれた明日』(06・TV)などがある。

STRAYDOG

森田亜紀ブログ

森田亜紀コメント

 この役を演れることが決まった時、本当に嬉しかったです。

 役づくりが難しく、だからこそやりがいのある役でした。

「プロジェクトINAZUMA」BLOG2006年5月18日

森田亜紀について(大工原正樹)

 森田亜紀は劇団「ストレイドッグ」の看板女優だ。踊ってもかっこいい。

 初めて森田亜紀に会ったときの印象は「利口そうで感じのいい人だなあ」というものだった。しかし、『赤猫』の主人公・千里は狂っていく。どう狂っていくかは映画を観てもらうしかないのだが、よくある、正気の時とのギャップで狂気を見せるというレベルでは表現できない狂い方をしている女なのだ。そもそも正気とはなんなのだ、ということが問題になっているシナリオでもあった。つまり、千里には生活がない。掃除機をかけていても、布団に入っていても、テーブルで食事をしていても生活がないのだ。演じるのが難しい役だと思う。何人かの役者と会ってシナリオの一部を演じてもらったが、芝居が上手い人ほど迫力がなかった。会った時すぐに「この人だ」という直感はあったものの、森田亜紀の魅力である「感じのよさ」は映画の中では封印せざるを得ない。けれど、彼女にはなんともいえない「重み」があったので少し迷った末に千里を演じてもらうことにした。

 現場で、そして編集をしながら度々驚かされた。いやー、本当に驚いた。迷う必要など微塵もなかったのだ。彼女と巡り会えなかったらこの映画はどうなっていたのだろうと考えると、今でもヒヤヒヤする。


李鐘浩(り・かねひろ)

1970年生まれ。富良野塾出身。主な出演作に、神山征二郎『三たびの海峡』(95)、北野武『キッズ・リターン』(96)、黒沢清『復讐 消えない傷痕』(97)、中田秀夫『リング』(98)、阪本順治『亡国のイージス』(05)、『天国の樹』(06・TV)、『虹を架ける王妃』(06・TV)、「月桂冠つき」のCMなどがある。

夢工房(所属事務所)

李鐘浩コメント

この作品の台本を頂く前に、赤猫という単語を辞書で調べてみた。が、どこにも載っていなかった。

「プロジェクトINAZUMA」BLOG2006年5月18日

李鐘浩について(大工原正樹)

 千里にはどんな夫がふさわしいのだろうか。ほとんどの場面で黙って千里の話を聞き続ける夫・内村のイメージは掴みにくかった。内村は劇中女としか関わらない。妻はもちろん、どの女に対しても優しげで、昔の恋人の太ももを擦っていても、大学の後輩の女の子を自宅に連れ帰り妻と三人で鍋を囲んでいても、リラックスしている。妻が深刻な告白をしている時、聞いている表情こそ真剣だが、時おり、頭の中では昔の恋人のスカートの中を妄想していたりする。といっても、けっして浮ついてるわけではない。シナリオに書かれている内村像はなかなか不可解だ。こんな役を演じられる「柄」をもった役者が果たしているのだろうか。——もちろん、いた。

 実は、いま記した内村像は李鐘浩が演じた内村を見ていて初めて言葉に出来たことだ。李鐘浩は、そういう男として内村を捉え、演じている。ほぼ全篇にわたって妻の話を聞き続ける役を、余計なものは付け足さず、多くは森田亜紀の語りに反応することだけで造り上げている。そして、「赤猫」という物語の中で李鐘浩が造った内村というキャラクターは、今となっては絶対的に正しいと思えるのだ。


藤崎ルキノ(ふじさき・るきの)

1981年生まれ。主な出演作に、池田千尋『人コロシの穴』(桐野ユキ名義)、山口洋輝『グシャノビンヅメ』(03)などがある。

藤崎ルキノについて(大工原正樹)

 内村の死んだ恋人・加奈子のことを語るのは難しい。内村の回想と千里の妄想の中に登場する人物である、といいたいところだが、出来上がった「赤猫」の中で藤崎ルキノが演じた加奈子は、そういった説明を拒否するような別の存在感を見せているのだ。言葉にしてはいけない存在なのかもしれない。たぶん、彼女の目のせいだと思う。大きくて、目じりが上がっていて、一見強い意志を現しているようだが、一方で何の感情も伝えていないように見える目。藤崎ルキノのその眼は、千里と内村の夫婦を、いや物語全体を笑いながら見通しているかのようにも思えてくる。内村が語る加奈子は実在するのだろうか?いや、写真があるのだから確かにいたのだろう。しかし、内村が集合写真の中で指差す女と千里に見えている女は同じ姿かたちをしているのだろうか・・・・。そんなことを考えてしまうほど、藤崎ルキノ演じる加奈子は意味を持ってこの物語を支配している。

 しゃがんでいる彼女の子宮にカメラが近づいていくカットを撮っているとき、内腿の肉のシワが気に入らなくて直してもらえないかと頼んだ。スタッフは「しゃがんだら必ず出来るシワだから、無理ですよ」と呆れていたが、藤崎ルキノは笑いながら自分の腿の肉を引っ張って直してくれた。この人、もしかすると素晴らしい人かもしれない、と思ったものだ。

カテゴリー: 大工原正樹, 赤猫   タグ: ,   この投稿のパーマリンク

コメントは受け付けていません。